魔女卵のこと

先月8月11日、私も大好きな魔女卵の店主・鎌田理絵さんが、39歳の若さで突然、亡くなりました。
明日明後日（9/22.23）が、魔女卵の最終オープンになります。

理絵さんは一児の母でありながら、常に尖った感性と揺るがない世界観で、世界中から魔女卵らしい雑貨を集めていました。
すごーくかっこよくて、そこにいるだけで他の人とは違う存在感があるような人だったけど、ご本人はとても物腰柔らかで優しく、初めてお会いしたときはびっくりしました。
尖っていてかっこいい人は、どこか排他的でつんとしている、と思っていたので、気さくにしてくれて嬉しかったです。


ARMEDEJETのアクセサリーを最初にお店に置いてくれたのも、魔女卵でした。
おかげで、どれだけ自信をつけてもらったことか…かっこいい理絵さんのお店に自分のアクセサリーを置いてもらっている、そのことが今でもとても誇らしいです。

私がイベントでアクセサリーを売ったりした時も、理絵さんはほぼ毎回、いつも通りすごーくかわいい格好で来てくれました。


私はアクセサリー制作のほかにウェブ制作の仕事もしています。
実は去年から、魔女卵のウェブサイトを作っていて、あとはほぼ公開するだけになっていました。
たくさん中国の古い本や雑誌、絵の資料を理絵さんに用意してもらい、ブログに載っている膨大な画像から魔女卵らしい画像をたくさん選んで、魔女卵ファンでもある私がお店の雰囲気そのままウェブサイトに閉じ込めたいとの思いで制作していました。

まさかこのような形で、ウェブサイトもずっと眠ったままになってしまうなんて…

先日、魔女卵最終オープンの日に、ホームページの画像を公開して良いですか？と、理絵さんのお母様にお許しをいただきました。
ウェブを公開しては、魔女卵がまだ存続していると勘違いされる方もいると思うので、
ここに画像だけ載せさせて頂こうと思います。

《裏話》
トップの画像は、最初他の白黒の絵を「これをカラーにして欲しい」ともらっていたのですが、理絵さんのイメージに近づくことができず、数十回のダメ出し（笑）の末、上の、最初からカラーの画像になりました。

ウェブサイトには、「アバウト魔女卵」というページもあり、
理絵さん本人が素敵な文章を書いてくれました。

思い起こせば、私はいつも理絵さんを待っていました。
約束の時間にお店に行ってもシャッターが閉まっていたりしたことは、実は何度もあったりして、その度に傷つきましたが、後で本当にすまなそうに謝ってくれるのを見て、一瞬でそんなことは忘れたものです。
そして、何ヶ月か待ったとしても、 また今度があると思っているから、いくらでも待つつもりでした。

なのに、待っていたら、死んでしまうなんて。。
今度こそ、待ってたのに！と、怒らせてよ、などと、一瞬考えたけど、
だけど私があっちに行った時に、もし会うことがあったら、必ずすぐまたすまなそうに「ごめんね、ごめんね…」と言ってくるんだろうな…
なんて想像したら、 そんなことはやっぱり一瞬で許しちゃうんだろうなと、思ったのでした。


まだまだこれから、お店でやりたかったこともたくさんあったと思うし、私も魔女卵と一緒に夢を見ながら進んでいきたかった…
彼女にもう会えない、魔女卵の創る世界をもう見ることができないのが寂しくてなりません。


魔女卵についてうまいこと書けなくて、理絵さんのお母様に許可をいただいてから一週間たってしまいました。
あんまり唐突な出来事だったので、一ヶ月たってもなんだか理絵さんが亡くなったなんて嘘みたいな感じですが、
大人になっても、母親になっても、自分の世界を妥協なしに創っていた理絵さんに恥じないよう、私も精一杯生きていこうと思います。

魔女卵・理絵さん、本当にありがとう。
絶対に忘れません。